第6夜 禁忌
ども。Aceです♪

GUNPLETE版「怪談 新耳袋」

「新耳袋」とは、実話を元にした怪談話のことで、百話を語り終えると怪しきことが起こると古くから言い伝えられる「百物語」の作法にのっとっています。果たして、無事に百話目を迎えることが出来るのか・・・。南~無~・・・。

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第6夜 禁忌

15年ほど前、遠い親戚のKさんが亡くなり、その葬儀に参列した時の話。

・・・葬儀も滞りなく終了したところ、
一緒に参列していたM叔母さんが、不思議な話を語り出した。

「私、先週、今日とまったく同じ場面の夢を見たんだよねぇ・・・」

どうやら、M叔母さんは、ドラマの再放送を観るかのように、今日とまるっきり同じようなシチュエーションの夢を過去に見たのだという。

しかし、M叔母さんの見た夢と、今日の葬儀は、ただ1点だけ違うところがあったらしい。

「・・・ただ、私が見た夢では、亡くなったのはKさんでなくて、Tさんだったのよ」

・・・・・・・・・・

それから、数ヵ月後、親戚のTさんが亡くなった。

そして、Tさんの葬儀では、M叔母さんの話題で持ちきりになった。
不謹慎に思われるかもしれないが、予知夢のようなM叔母さんの話に、私も幼いながら興味津々だった。

「M叔母さん。今日のお葬式も夢に出てきたの?」
「・・・いや。見てないわよ」

そう言いながらも、どこか暗い表情のM叔母さん。

「・・・ところで、お婆ちゃんは元気にしてる?」
「相変わらずかな?」
「・・・そう」

その日、私の祖母の身体の心配をするM叔母さんの姿が、とても印象に残ったものだった。

・・・・・・・・・・

数ヵ月後、私の祖母が亡くなった。

それからというもの、M叔母さんの夢の話は、親戚の間ではタブーとなっている。
by gunplete | 2007-04-07 22:49 | Tales of Terror
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